第23回日本病院総合診療医学会学術総会

会長挨拶

会長

第23回日本病院総合診療医学会学術総会 会長
高橋 広喜
国立病院機構仙台医療センター 地域医療連携部長・総合診療科医長
  宮城県保健福祉部参与




2021年9月18日(土)・19日(日)の2日間、杜の都仙台にて「第23回日本病院総合診療医学会学術総会」を開催させていただくことになりました。本学会は第2回以来10年ぶりに東北で開催されます。ちょうど10年前は東日本大震災を経験し、東北の地域医療は復興と再生への道を日々歩んできました。そして今年はコロナ禍によって大きな変革を求められ、新しい時代に向かってさらに歩みを進めようとしています。この大きな変革期に会長を拝命し、責任の重さを犇々と感じるとともに大変光栄に存じております。
今回のテーマは、「総合力を活かして病気を診る」です。高齢化社会を背景にして、普段の診療においては、様々な疾患を持ちそして多くの社会的な問題を抱える患者さんを引き受ける機会が増えています。また地域医療においては、患者・家族の様々なニーズも高まっています。それらに応えるには、単に病気を診るだけではなく「総合力」が不可欠となり、そしてその核となる病院総合診療の役割がますます重要になると考えます。私たち病院総合診療医は、常日頃から自らの診断力向上の努力を惜しまず、そして各専門医やコメディカルと力を合わせ、多職種によるチーム医療のコンダクターとしての役割りを果たさなければなりません。その決意を持って、今回のテーマといたしました。また、2021年度は新専門医制度初年度の若手医師が医療の現場で活躍するスタートの年であり、これから続々と総合診療専門医が地域において誕生します。さらには、各領域専門医として活躍された後に総合診療へ参入を希望する方々も年々増加しています。この総会をその両者の受け皿となり地域医療の要となる病院総合診療医の育成の一助になればと考え、いくつかの企画を用意しました。
開催方式については、新型コロナウイルス感染症への対応が長期化している中、感染症対策を徹底しながら状況に応じて柔軟に対応していきたいと思います。会場の仙台国際センター展示棟はJR仙台駅からわずか5分、伊達政宗の騎馬像で有名な緑豊かな青葉山のふもと、清流広瀬川のほとりにある国際センターで皆様をお待ちしております。