理事長挨拶

公益社団法人 日本口腔インプラント学会
理事長 渡邉 文彦



 第47回日本口腔インプラント学会学術大会がここ仙台で盛大に開催されますこと、本学会を代表し、心より御礼を申し上げます。東北地区は2011年に東日本大震災により大きな被害を被りましたが現在その復興が進んでおり、学会員の皆様にもこの復興の現状を見て頂きたいとの東北・北海道支部の先生方の熱い思いから、この仙台で開催させて頂くことになりました。
 本学会定款4条で「口腔インプラント学に関する学理及びその応用の研究発表、知識の交換・普及、情報の提供会員の生涯学習の奨励等の事業を行うことにより、口腔インプラント学の進歩普及を図り、もって我が国の学術は及び国民の健康増進に寄与することを目的とする」と謳っております。
 日本口腔インプラント学会は口腔インプラント治療を通して国民へ健康維持、増進を提供する大きな使命があります。
 今期「インプラント治療が拓く未来 −ミート・ザ・フロントランナー−」をメインテーマに掲げ開催することになりました。インプラント治療の目的は喪失した歯、機能を改善し、咀嚼、発音機能回復および審美回復し、心理的面での若さの維持、質の高い人生を推し進めることにあります。このことは全身状態の健康維持を増進し、健康寿命を延ばすことを可能にすると考えます。高齢社会、超高齢社会に向かい、認知症との問題も絡み、咀嚼、嚥下機能の回復に求められる歯科医療は大きな役割を果たすことになるでしょう。介護費、医療費の削減は国家の大きな問題となっていることからも、健康維持は国家の重大な課題となっております。インプラント治療には歯科医学の包括的な知識と技術が求められており、また医科との連携も必要となります。インプラント治療は医学、歯学の臨床、基礎研究のまさにフロントランナーとして走る使命を負っております。直面する問題をトッププランナーとして走り、直面する問題を解決、国民に信頼される、医療を提供しなければなりません。本学術大会ではこのような点を考え、特別講演、シンポジウム、各種教育講座、一般発表、ポスターまた市民フォーラム、展示など数多くの企画がなされております。
 口腔インプラント治療は生体材料、病理、解剖などの基礎医学はもちろんのこと、外科手術、歯周治療、補綴治療、放射線、歯科麻酔等の臨床を包括医療また他職種によるチーム医療の必要性についても議論したいと考えております。
 第47回学術大会は東北・北海道支部長 西郷慶悦大会長のもとに、東北大学大学院歯学研究科口腔システム補綴学分野 教授 佐々木啓一 副大会長、東北大学大学院歯学研究科顎顔面・口腔外科学分野 教授 高橋 哲 副大会長、東北大学病院新インプラントセンター 小山重人 実行委員長、東北大学大学院歯学研究科学顔面・口腔外科学分野 山内健介 準備委員長で2017年9月22 日(金)から9月24日(日)に仙台サンプラザと仙台国際センターにて開催致します。日本口腔インプラント学会を代表して、ここに関係各位に重ねて御祝と御礼を申し上げます。
 一人一人の会員が国民のために確実でより信頼されるインプラント治療を目指して、これを実施して頂くため、一人でも多くの会員の方々の参加を期待します。


大会長挨拶

第47回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会
大会長 西郷 慶悦
東北・北海道支部支部長、嵌植義歯研究所施設長



 この度、第47回公益社団法人日本口腔インプラント学会の大会長を拝命いたしました西郷と申します。我々の支部において、4,000名を超える大規模な大会を開催できる都市は、北海道は札幌、東北では唯一宮城県の仙台市であります。今回、幸いにも地元仙台の東北大学大学院歯学研究科の全面的なバックアップを得ることができ、東北での開催となりました。
 さて、口腔インプラント治療は、欠損補綴のもっとも有用な選択肢の一つであり、質の高い口腔機能の回復をもたらす治療法として確立してきました。しかし、インプラント治療に対する患者のニーズは多様化し、一部には患者の満足が得られずトラブルに発展するケースもみられるようになってきました。さらに、歯科界は歯科医師過剰などの需給問題にも端を発し、特にインプラト治療においては厳しいマスコミ報道の矢面に立っております。このような状況から、今後は単なる知識や技術の習得のみならず、安全・安心なインプラント治療を心がけ、長期にわたり満足される医療を提供する必要があります。
 今回、「インプラント治療が拓く未来」というメインテーマのもと、我々大会事務局では「ミート・ザ・フロントランナー」というサブテーマを設定しました。これは、それぞれの分野で活躍されるフロントランナーをお呼びし、会員にとって少しでも魅力ある大会にしたいという想いからであります。近年、学会の演題数や参加者数は横ばい状態となっています。会員の先生におかれましては、日頃の研究成果を発表する場、あるいは日常臨床の研鑽の場として、ぜひ本大会を活用していただきますようお願い申しあげます。
 先般、九州地方においては大地震が発生しました。さらには台風による被害が相次ぎ、各所で復旧に追われています。また、東北地方は東日本大震災の発生から間もなく6年が経過しますが、復旧・復興には程遠い状況にあります。復興の架け橋として、さらには本会の活性化のために、一人でも多くの先生が仙台の地に足を運んでいただき、学術大会を盛り上げていただきますよう、併せてお願い申し上げます。