第14回日本禁煙学会学術総会

会長挨拶


第14回日本禁煙学会学術総会 会長
福島県医師会長 佐藤 武寿

謹啓 皆様におかれましては益々ご健勝のことと存じます。
2020年第14回日本禁煙学会学術総会会長を仰せつかりました福島県医師会長の佐藤武寿です。福島大会の会長として、一言ご挨拶申し上げます。
福島大会は、福島県医師会及び各郡市地区医師会、福島県歯科医師会、福島県薬剤師会、福島県看護協会の共催、そして福島県、公立大学法人福島県立医科大学等多くの後援をいただき、福島県内の医療関係団体が一丸となって開催する近年稀に見る学術総会であります。
さて健康増進法が2003年施行、2018年改正によって東京オリンピックパラリンピック開催予定であった今年2020年4月から全面施行されております。また、この間東京都を始めとした国内多くの自治体でも受動喫煙防止条例が制定され、タバコを取り巻く環境は大きく変わりました。また2020年初頭からの新型コロナ感染症は全世界に蔓延、拡大し社会に大きな影をもたらしています。タバコは新型コロナ感染症の感染率さらに重症化率をも上昇させることが明らかになり、この観点からもタバコのもたらす健康被害が身近なものであることを実感させられました。
また全国的に健康寿命の延伸が注目され様々なアクションが展開されている中、喫煙の問題は国民全体の課題の一つとなっております。福島県の成人の生活習慣病の状況(全国のワースト順位)を見てみますと、高血圧症3位・脂質異常症11位、糖尿病12位で、死亡率順位でも心筋梗塞1位、脳梗塞7位と大変残念な状況となっております。さらに喫煙率は全国4位となっておりタバコと疾病や死亡率との関係性が強く示唆されております。こうした状況下において、この地で「全ての人にTobacco-freeな未来を!~福島から発信~」をテーマに掲げて日本禁煙学会学術総会が開催されますことは誠に意義深く、この大会が福島県民はもとより全国民一人ひとりの健康意識向上の一助となることを強く期待しているところであります。この大会は新型コロナ感染症の拡大から開催期日は予定されていた2日間から会場発表とWEB配信での講演発表を充実させたHYBRID開催1日のみとなります。新型コロナ感染重症化と喫煙の密接な関連を始めとしてタイムリーな研究、情報を発信共有できますよう、今後の感染の収束動向や国、自治体の指導に従い、新たな新型コロナ感染を起こさないよう配慮した学会運営を目指して準備しております。
新しい生活様式で、皆様にはストレスや制限の多い中で診療、研究等にご苦労されておられると拝察いたします。福島での新しい試みのこのHYBRID開催へのご参加が学術的探究心を満たすともに皆様の心の安らぎにつながれば幸いです。

謹白