第34回北日本インターベンショナルラジオロジー研究会

メディカルスタッフセッション

9月4日(土)9:00ー10:00

教育講演

緩和ケアとIVR ~IVRに役立つ緩和ケアの基礎知識と緩和IVR~

鳴海病院 放射線科 井隼孝司
緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチであり、近年ではその対象は非がん領域まで拡大され、診断時から積極的治療との併用が推奨されている。一方、IVRは疾患により生じた様々な病態に対し症状軽減のために行われ、低侵襲の手技で迅速な効果が得られる特徴があり、緩和ケアのニーズに合致し、積極的緩和ケアとも言える。本講演ではIVRに従事する医療従事者に必要な緩和ケアの基礎知識に関して述べるとともに、症状緩和の目的で施行されるIVR手技(緩和IVR)について紹介するが、IVR医が緩和ケアの一翼を担うためには、個々の手技を合併症なく成功させる技術だけでなく、緩和IVRへの情熱、心の声に耳を澄まし患者・家族に寄り添う姿勢、そして多職種によるチームアプローチが重要だと考える。


演者: 井隼 孝司(鳴海病院)
座長: 松橋 正子(北海道大学病院)
佐藤 恵美(手稲渓仁会病院)

9月4日(土)10:00-11:15

合同シンポジウム

第1部 「みんなで造影CTを考える」

医療機器の進歩に伴い、CT装置も高速化、検出器の多列化が進み、より瞬時に緊急IVRの適応患者を発見できるようになっている。また造影CT画像はIVRや手術を支援し、その安全かつ確実な実施にも貢献している。一方では、医療被ばくやヨード造影剤の使用にあたっての様々な問題もクローズアップされてきている。そこで、より少ない造影剤の量・より少ない被ばく線量・より少ない患者さんの不安を実現するために、「安全かつ確実かつ最大の造影効果を得るための戦術」を医師・診療放射線技師・看護師合同で考えていきたい。本セッションではCT検査前の情報収集や、効果的な造影を実施するための穿刺や血管選択、IVRにおける造影CTの位置づけなどを取り上げ、参加者の皆さんの日々の臨床に役立ててもらいたい。


座長: 中田 哲子(弘前大学医学部附属病院)
加藤 守(秋田県立循環器・脳脊髄センター)

  • より安全なCT検査のために
    中田 哲子(弘前大学医学部附属病院)
  • 穿刺の極意
    堀井 里美(市立秋田総合病院)
  • 造影CTの品質に影響を及ぼす血管選択
    佐々木哲也(JR仙台病院)
  • 緊急IVRにつながる造影CT
    佐々木 稜(弘前大学医学部附属病院)
  • IVRを支援するCT画像
    葛西 健之(青森県立中央病院)
  • アナフィラキシーショック
    対馬 史泰(弘前大学医学部附属病院)

9月4日(土)11:15-12:00

合同シンポジウム

第2部 「IVR室におけるモチベーションの維持・向上を考える」

IVR室では在籍十数年のベテランや、配属1年目の新人など、幅広いキャリアの人材が勤務し、個々のモチベーションも異なる。診療放射線技師および看護師には学会認定制度が存在し、認定資格がモチベーション維持・向上につながることもある。
今回は、その認定を目指している方、また取得した方に「自分が頑張れる要因・自分を奮い立たせたきっかけ」などを話してもらい、IVR室でのモチベーションについて再考し意見交換をしていきたい。


座長: 對馬 真貴子(青森県立中央病院)
坂本 幸夫(青森労災病院)

  • バイタリティーにあふれる自分になるために〜INE受験を目指して〜
    八木橋生美(あおもり協立病院)
  • 大人のモチベーション事情
    宮本 直武(士別市立病院)
  • 良いチームの一員となるために~あなたはどう関わっていますか?~
    葛西 慶彦(弘前大学医学部附属病院)