第74回日本職業・災害医学会学術大会
会長 伊藤 弘人
(東北医科薬科大学医学部 医療管理学教室 教授)
拝啓 時下 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
第74回日本職業・災害医学会学術大会開催のご案内を申し上げます。ご推薦を賜り大会長を仰せつかり、第73回大会のご趣旨を受け、また第75回大会へ滞りなく引き継がせていただけるよう、身の引き締まる思いで準備を進めております。
本学術大会の総合テーマは「地域の未来は決定づけられているものではない」です。このテーマに至った背景をご紹介申し上げます。
2022年3月まで労働者健康安全機構の本部研究ディレクターとして、理事長の下で「災害に強い地域づくりに寄与する医療の在り方」(第1テーマ)と「地域経済の好循環に寄与する医療の在り方」(第2テーマ)を深めておりました。前者(災害と医療)は、本学会が大槻菊男先生(仙台生まれ)によって1953年に設立された「日本災害医学会」から始まったことに関係します。首都直下地震や南海トラフ地震の発生確率が高まっており、現代においても重要なテーマであることをご理解いただけると思います。後者(地域経済と医療)は、労災病院が各地域の基盤産業を担う労働者のための医療を期待されて設置されことが背景にあります。我が国では産業構造の変化やエネルギー政策の転換によって、基盤産業自体の変化に伴い、労災病院の地域での役割も変容しています。地域での産業構造が変化しましても、厚生労働省労働基準局が所管部局である労災病院にとりまして、地域経済を念頭においた勤労者医療の在り方は「コアバリュー」ともいうべきテーマです。
2017年9月に労働者健康安全機構に着任して以来、現在に至るまで深めて参りました二つのテーマを、第74回大会ではクローズアップいたします。未来の地域の在り方は、労災病院をはじめとした地域の医療機関の立ち居振る舞いで決まっていくというメッセージを込めて「地域の未来は決定づけられているものではない」というテーマを設定した次第です。なお、このテーマは、戦後に設置されていった労災病院のみならず、我が国の医療の根幹のテーマでもあり、やや長い時間軸で「歴史」を紐解くことを第3テーマとして位置づけました。第3日目の12月5日(土)は東日本大震災の被災遺構とその後の復興に関連する地を訪れるエクスカーションを企画中です(要事前登録)。
本学会は総合テーマを3つのサブテーマから掘り下げます。なお大会プログラムを継続的に充実させ、毎月ホームページを改定していく予定です。ぜひ、2026年1月から始まる事前登録を早めに済ませていただき、メールで定期的にご案内申し上げる「最新プログラム」をお楽しみいただけますと幸いです。なお、参加費の決済手続きは、2026年6月から開始しますので、事前登録の有無に関わらず4~5月に改めてご案内申し上げる次第です。
本学会が、日本職業・災害医学会関係者の先生方のみならず、これからの地域医療を考えるあらゆる関係者の皆様にとりまして、新しい構想が触発される機会となりますことを願っています。
皆様のご参画を、こころからお待ち申し上げております。
敬具
第73回学術大会 三上容司 会長
(中央、日本職業・災害医学会理事長)
第74回学術大会 伊藤弘人 会長(右)
第75回学術大会 竹原徹郎 会長(左)
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